第31回 歌の技術のひとつとしての発音 (音節の取り扱い)
2014年5月 1日(木)
こんにちは!山本圭美(まみ)です。
美発音ならばよい歌になるのかといえば、さにあらず、でしょうね。明瞭で、力がすっと抜けていて、正しい英語の発音で、発声も完璧・・でも、なんだか教科書どおりで魅力がないということもあります。では、発音はどうでもよいのかといえば、それも、さにあらず。ピカソにも「青の時代」があるように、基礎や原則を知った上での自由奔放さの魅力と考えてはどうかしら。表現を豊かにするための技術のひとつとして発音を考えてみましょう。
会話は「声」を出せばよいのですが一方、歌を唄う場合は、その声に「響き」を与えて出します。響かせ方のノウハウについてはたくさんのボイストレーナーの先生がいらっしゃいますので、ここでは英語の発音にフォーカスします。声を豊かに響かせるには、母音を、子音に引き継ぐまでレガートで音符一杯キープします。どのようにすればよいのか、具体的に書いてみますね。
例えば 歌詞の中に"difference"という単語があるとします。辞書を引くと音節は dif-fer-enceのようにダッシュで区切られ記されています。文節法、分綴法には決まりがあるのです。ですから市販の譜面にはそのように歌詞の譜割りがされています。けれど、先ほど書いたように、母音を子音に引き継ぐ直前まで保持するために、あえて、di-ffe-renceと分節して唄ってみてください。di ~~でfぎりぎりまで。ffe ~~も rの直前ぎりぎりまで。
できれば発音記号(IPA)で書き直して唄ってみて!髪の毛一本分の違いが美発音へとつながってきます。
今日もよい一日を♪